《MUMEI》
ウソでしょ?
.



…………しまったぁっ!!




わたしは慌てて義仲の襟首を離す。解放された義仲は、乱れた服装を直した。

松本先輩は、少し間を置いて、わたしに言葉を選ぶように慎重に言った。


「……ごめん。なんか、ビックリして…片倉さん、僕がおもっていたのと、ちょっとイメージ違ったみたいだ……」




…………ヤバイヤバイヤバイ!!




それって、それってまさか……。




わたしの不安は的中した。




「僕、もう帰るね………あと、コレ。やっぱり返すよ」


先輩はデパートの紙袋をわたしに押し付けた。さっき、わたしが買ってあげたハンカチが入っているものだ。




ちょっと…………。


ちょっと待ってよ!!


これじゃ……このままじゃ……。




.

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫