《MUMEI》 . 「まー、そう落ち込むなって!」 呑気な義仲の声が聞こえてきたが、もうそれどころじゃなかった。 わたしはあまりのショックで、先輩に突き返された紙袋を抱えたまま、動けなかった。 呆然自失。 そんな言葉が、よく似合う。 「璃子ちゃん?」 ひょいと義仲がわたしの顔を覗き込んだが、反応出来なかった。 フラれた。 この、わたしが。 ずっとおもい描いていた夢が、絶たれた。 玉の輿の、夢が。 社長婦人の椅子が。 輝かしいセレブ生活の、未来が。 . 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |