《MUMEI》 少しの間を置いて、義仲がゆっくりと身体を動かした。 「痛ってーな、璃子ちゃん。ヒステリーは身体に良くないよ」 落ち着き払った声でそう言うと、義仲は顔から手を離し、わたしの方を見た。 その目は、冷たかった。 その気迫に、肝が冷える。 義仲は、静かに言った。 「璃子ちゃんは、俺のモノなの。それ以外のなにものでもない」 −−−−《俺のモノ》…ですって? 身勝手な言い分を聞いて、わたしの頭にカッと血が昇った。 「なにそれ!?意味わかんないっ!そんないい加減な話が通用するとおもってんの!?」 喚きちらしたわたしに、 義仲は真剣な眼差しをむけて、 はっきり答えた。 「おもってる」 . 前へ |次へ |
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