《MUMEI》

わたしは新たな対戦のため、自分が操るキャラクターを適当に決める。モニターには、どっかの港町に、格闘キャラが2体、向かい合っているのが映し出される。





《Lady……》






ゲーム機の音声を聞き、


わたしはコントローラーを握りしめた。




……………そのとき。




「−−−−よォ、ネーちゃん!?」




男の声がしたのと同時に、わたしの肩に手が置かれる。


わたしはゆっくりと振り返った。



そこに立っていたのは、


殴られたあとが、未だ痛々しい、


義仲にボコられた、あの3人の少年たちだった。




「ちょっと、ツラ貸してもらおうか…」




ニヤついている少年たちを見つめ、わたしはゆるりと瞬いた。





《………Fight!!》





ゲームの中で、戦いのゴングが高々に鳴り響いた。







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