《MUMEI》

「何でお前がいんだよ黒人!!」


「いや黒人じゃね〜し!!
お前こそ何でいんだよ!!」


「付いて来てんじゃね〜よ!!」


「いやお前だし!!」


沖の隣の席にいたのは、


同じ女の子にナンパした男だった。


映画館で口論を始める2人。


当然、







「お前のせいだかんな!!」
「お前のせいだかんな!!」








映画館を追い出された。


「何お前?
ナンパの邪魔するし映画の邪魔するし!!
日本のルール守れよ!!」


「いや俺日本人だし!!
だいたいナンパに関するルールなんかね〜よ!!」


「マジ最悪…」


「マジカス…」


映画館を追い出されてもなお、


2人の口論は続いた。


そこに、


1台のバイクが近づく。


「よぉ?
何してんだ沖?」


「翔太さん!!
マジこいつやっちゃってくださいよ!!」


「おっ…
おま…
先輩はずり〜ぞ!!」


「はぁ?」
(何言ってんだこいつ?)


「こいつナンパの邪魔はするし、
映画の邪魔はするしマジないんすよ!!」


「…はぁ。」


この時点でかなり話かけるんじゃなかったと、


翔太は思っていた。

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