《MUMEI》

「あのな〜。


確かにこの辺ナンパスポットだけど、


昼間っからナンパしたってつかまんね〜よ?」


「え!?そ〜なの!?」
「え!?そ〜なの!?」


「…で?
コイツは誰?」


「確か…
モンゴルから来た…」


「いやモンゴルじゃね〜し!!


アフリカだし!!


いやアフリカでもね〜し!!


日本人だし!!」


(…何言ってんだコイツ?)


呆れ顔の翔太。


話しかけるんじゃなかったと後悔し始めていた。


「んじゃ…
お前は誰?」


翔太はため息と共にそう言った。


「俺は聖龍高校ハンド部の奥本望夢だ!!」


「は?」
「は?」


翔太と沖、


2人の表情が一変する。


「聖龍?」
「ハンド部?」


「そうだよ!!
最強聖龍の!!
この前ようやくスタメン入りした奥本だよ!!」


(…知らね〜な。)


「なるほどな…。


お前がただの留学生なら黙って帰してやったけど、


ハンド部ってんなら話は別だ。


試合で決着つけてやる。」


(ホントこいつら何があったのよ?)


「はぁ?
お前ハンド部なのか?」


「そうだよ!!
赤高ポストの沖修一だよ!!」


「…なぁ〜んだ。
赤高か。
無理無理。
上がってこれね〜よ。」


「あ?」
「あ?」


再び、


2人の表情が変わった。

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