《MUMEI》

「好きだ!!」


「…え?」









…まだ終わりじゃないだろう?










「あの時からずっと変わんないで、


今でも美紀のこと好きなままだよ。


嫌いだから別れを告げた訳じゃない。


ただ…


一緒に秀皇に行くって約束破った罪悪感から逃げたかったんだ。


秀皇には行かないって言いだせなかった自分から逃げたかったんだ。」


「…」


「でも決めた!!
もう自分からは…」









逃げない。


そう言おうとした時だった。









ギュッ…










美紀が僕を抱き締めてきた…。









「お…
おい…」









「…いい匂い。
香水付けてるでしょ?」










「…うん。」








「…タバコの匂いがしないね。
香水で隠してるの?」


「…あんなのもうとっくに辞めたよ。」










「…あたしでいいの?」









「…美紀がいいんだよ。」









「…あたし大変だよ?」


「うん。
知ってる。」


「すぐ泣くよ?」


「それも知ってる。」


「…釣り合わないって言われちゃうよ?」


「そんなことないよ。」










「…幸せにしてくれる?」


「…それには絶対の自信があるな。」










「…あんなこと言ったけど、


ホントはあたしも、


自分の気持ちから逃げたくない…。」


「…」










「…好き。」

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