《MUMEI》

その3人は、このあたりじゃ有名なワルらしくて、


ゲーセンにいた男どもはわたしと少年たちから目を逸らし、その中の誰ひとりとして、


彼らに無理やり連れていかれるわたしのことを、助けようともしなかった。


そして、この3人も、義仲に歯がたたないからって、わたしを捕まえて報復しようなんて……。




「………なんて、情けないッ!!」




わたしは俯きながら声を出した。

少年たちは、あぁ?と感じ悪く聞き返してくる。


「なんだよ、なんか言ったか!?」


わたしは少年たちに、人気のない河原に連れて来られた。
わたしたちの頭上には大きな橋が掛かっていて、そこを行き交うたくさんの車のエンジン音が、唸り声のように無数に反響していた。

だから、大きな声で話さなければ相手に聞こえないのだ。

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