《MUMEI》 わたしは、質問を無視して黙りこんだ。少し顔をあげ、じっと彼らを睨みつける。 すると、少年のひとりがわたしに近づいた。 少年はわたしの目の前で立ち止まると、顎をつかんで無理やり顔を上げさせた。 「さっきは、キミの彼氏にずいぶんお世話になってね〜。もー、はっきり言って、俺たちメンツ丸つぶれなのよ。わかる?」 わたしのコメカミが、ぴくっと痙攣する。 …………カ レ シ? 先程、街中で義仲と言い合っていたとき、わたしの顔を覚えていたのだろう。そしてあのとき、義仲が『わたしの彼氏』だと公言したことも、たぶん聞いていたのだ。 …………って、またアイツのせいかっ! ロクなことしねーなっ!! . 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |