《MUMEI》 志貴と柊・帰宅「話は以上だ。悪かったな、せっかく楽しい雰囲気だったのに、こんな話して」 「…いや」 返事をしたのは 正確にはできたのは、祐だけで 未だに泣いている志貴と柊は、必死な様子で首を横に振っていた。 「この話をしたのは、他には大さんだけだ。 …もっとも、あの人には自分から話したというより、傷跡見られたから、仕方なくだけどな」 俺が自分の意志で話したのは、今回が初めてで 話したいと思えたのは、ここにいる三人だけだった。 「…しらな、かった」 「みたいだな」 大さんは息子の柊にも俺の事は言わなかったようだ。 (言わないとは思うけど…) 徐々に涙が止まってきた二人を見ながら、俺は三人に向かって付け加えた。 「あのさ、この事、誰にも…」 「言わない」 「言わないよ!」 「言うわけないでしょ!」 「あ、…そう」 (こわい…) 志貴と柊の涙は完全に止まり …その目には怒りが浮かんでいた。 結局二人はそれぞれの親が車で迎えに来るまで、機嫌が直る事はなく …今度会うのが少し怖くなった。 前へ |次へ |
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