《MUMEI》
マネージャー
   〜歩視点〜


「はい、中原くん!」


キラキラの笑顔で、お茶の入ったコップを差し出す小湊さん。


「サンキュー!」


笑顔でコップを受け取りお茶を一気に飲み干す。


今は部活の休憩時間。


バスケ部のマネージャーの小湊さんは、部員にお茶を配って回っている。


「凄い汗だね〜★

はい!タオル!」


そう言って小湊さんは、俺にタオルを手渡した。


またもやお礼をいい、流れ出る汗を拭く。


「お茶のおかわりいる?」


上目遣いで首を傾げながら、尋ねる小湊さん。


「ありがとう!でも大丈夫」


感じ悪くないように断り、いつの間にか隣にちょこんと座っている小湊さんに話しかける。


「他の部員のところにお茶配りに行かなくていいの?」


俺の質問に小湊さんは、ニコリと微笑み答える。


「もう他の人達には配り終わったから」


小湊さん以外のマネージャーを見ると、みんなもう配り終えた様子で話をしていた。


「中原くんバスケ好き?」


小湊さんが唐突に質問を投げかける。


意外な質問に一瞬驚いたが、俺はすぐに満面の笑みを浮かべ答える。


「もちろん」


俺の反応を見て小湊さんは、優しくふわりと微笑んだ。




やっぱり、その笑顔は反則だよな・・・。


無意識に心音が早くなるのを感じた。


「小湊さんは?マネージャー楽しい?」


俺は、微笑みながら小湊さんに質問する。


「うん!楽しいよ!

まだ練習風景しか見たことないけど、みんな一生懸命練習してて・・・正直1つのことにこんなに熱中できるの凄いなって思う。


でもマネージャーも結構体力いるんだよね」


目に見てワクワクしているのが分かる程、小湊さんは目を輝かしながら答え、最後に苦笑いを浮かべた。

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