《MUMEI》 ボケーと、惚けて突っ立っている奴もいれば、辺りを仕切りに見回して右往左往している奴もいる。 「貴様等ぁ!! ホンマにやる気あんのか!?」 サッカーで最も重要な、チームプレーさえままならない。 必死で智哉を追いかけた。 智哉は一人せせら笑うと、振り向き様にこちらを盗み見た。 勝ち誇ったかのような、なんとも憎らしい目をしてやがる。 彼はボールを難なく蹴り上げて、シュートを放った。 頼む、一希!! 止めてくれ!! バシ!! 一希の手がボールを弾いた。 よし!! ………!! だが、弾かれたボールは後方に転がって行き……。 ピピーーー!! ゴールを許してしまった。 一部始終を見終えた俺は、愕然とした。 “何故誰も動かない!?” 前へ |次へ |
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