《MUMEI》

こちらを向き、またもや目を開く。


四つの金色の目が全て俺に向けられている。


一体何の話しをしたんだ?


「そなたが!?」


「はい?」


「そなたが……。」


「はいはい、ストーぉップ!!」


グレイドが、ラルフの口に手をあてがった。


「ラルフ、それは禁句だ。」


「んん!!

すまぬ……。


よもや、生きている内にそなたに会えるとは、予想もしていなかったのでな。」


ラルフは俺を見て、嬉しそうに二つの尻尾を振っている。


「生きている内にって、そんな大したことじゃないだろ。


今何才だ?」


「私か?

私は……五百…いや、七百だったかな?」


「ええっ!?」


思わず声を上げてしまった。


「なんだ?

何かおかしいこと言ったか?」


はい。


とは、口が避けても言えなかった。

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