《MUMEI》 ルカの不安「ルカ、お前、ど―かしたのか?」 そう尋ねたのは、黒ネコのエルフェだ。彼女は愛娘──ルカに擦り寄って、いつものように背中を撫でてもらっていたのだが、ルカの表情が冴えない事に気付いて、肩に飛び乗ると、再び話し掛ける。 「何かあるんなら言いな。アタシは一応、保護者なんだしな」 すると、ルカは小さく溜め息をついてエルフェを見上げた。その碧い瞳には、不安と焦りの色が浮かんでいる。 「この村は‥本当に変わる事が出来ると思うか‥?」 「‥だいじょぶさ。この村なら心配ねぇから」 前へ |次へ |
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