《MUMEI》
散歩に行っていただけ
この村、というのは、彼女たちが暮らすシャイリィの事であり、女王の試練を経て、今、新たに生まれ変わろうとしている。

「──ルカぁ!」

2人が住家に戻って来ると、アルミンが飛び出して来てルカの肩に座った。彼女はコビトであり、常に浮遊している。

「なぁなぁ、2人して、どこ行っとったん?」

アルミンはルカの金色に輝くツインテールの片方を引っ張りながらしきりに質問を繰り返す。ついに7回目になって、ルカはようやく口を開いた。

「ただ‥散歩に出掛けていただけだ。特には何も‥」

「ホンマか?」

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