《MUMEI》
大輪の花
「‥ありがとう‥」

フフ、とエルフェは照れくさそうに笑う。

「くすぐったくなるからやめろって‥。あんまし気にすんなよ。それに言ったろ?──何とかなるさ。きっと、な」

「‥‥ぁぁ」

「ほら、陰気な顔すんなって」

「──そうですとも」

優しい声がして顔を上げたルカの前に、リオナ女王がいた。白い花畑に佇む彼女は、正に大輪の花のようである。

「何をそんなにも悩んでいるの、ルカ?」

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