《MUMEI》
ハル
「あたしはハルだよ」

〔ハル‥〕

「うん。あ、キミ歩けないよね、抱っこしよっか?」

相手をするのに疲れたのか、キバは大きく溜め息をつき、

〔‥‥好きにしろ〕

と、吐き捨てるように呟いた。

「じゃ、好きにするね」

ハルはキバを抱き上げ、家に向かって歩き出した。

〔お前、何しに来たんだ〕

「えっとね、今日は遊びに来たって感じかな」

〔は‥?〕

「町は煩くてさ、だから時々ここに来るの。そうだ、キバはハンターに追われてたんだよね?」

〔ああ。ヤツら‥まだ、そこらへんにいるかもな‥〕

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