《MUMEI》 教育的指導義仲はユラリと立ち上がり、のたうちまわるその不様な姿を、冷たい瞳で見下ろした。 「ヒトのモンを、汚い手で触ってんじゃねェよ」 冷え切った声で呟いてから、彼は視線を巡らせ、少し離れたところにいる少年ふたりをじっ……と見据える。 「俺、言ったよね?」 一歩、少年らに近寄った。 「『もう、悪いことすんな』ってさ……」 もう一歩、近づく。 少年らの顔から血の気がひいていった。 のろのろと後ずさるが、義仲はゆっくりと残りのふたりの目の前までやって来て、冷たい目をむけた。 そして。 −−−−−ドッ!! 「グッ!!」 義仲の上段前蹴りが、ひとりの少年の顎に命中した。もうひとりの少年は悲鳴を飲み込み、義仲から離れた。 . 前へ |次へ |
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