《MUMEI》

倒れた相手に冷え切った目をむけ、その頭を躊躇いなく踏みつける。

ギリギリとコメカミに足を押し付けながら、低い声で呟いた。


「口で言ってわからないバカなヤツには、特別に《教育的指導》、ね……」




…………目がイっちゃってるよ。




つい、義仲に見とれていると、


少し離れていた最後の少年が、ズボンのポケットからなにかを取り出して左右に激しく振った。


カシャカシャン…!と不吉な金属音が微かに聞こえた。



………バタフライナイフだ。



わたしは口に押し込まれたタオルを吐き出し、急いで身体を起こした。


「後ろ、あぶない!」


わたしが義仲に叫んだのと同時に、


ナイフを手にした少年が、咆哮する。


「ふざけんなぁッ!!」


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