《MUMEI》

はいずり回る少年に目もくれず、義仲は血に濡れたナイフを見つめ、小さく舌打ちした。


「切れ味、サイアク」


わたしは絶句する。


ただ、呆然と目の前の惨劇を見つめていた。




…………いつもの、義仲じゃ、ない。




ゾッと、背筋が寒くなった。


義仲はナイフを、ポイッと放り捨てた。それから痛みに悶絶している少年らを見回し、言い放つ。


「もう、二度とそのツラ見せるなよ」


少年らは答えなかった。それどころではないらしい。

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