《MUMEI》

「‥たまには‥‥‥いいものだな、桜の下で食事をするというのも──」

「やっぱいいよね〜、うんっ。──サクヤ?」

「うん──」

「どーしったのっ?」

「やっぱり不思議──」

「ん? 何が?」

「だって──千年前に会っていた人にまた巡り合えるなんて──不思議」

「やっぱさ、絆ってやつなんじゃない?」

「絆‥?」

「二人が想い合ってたからこそだよっ。ね、菜畑?」

「何故そこで僕に振る‥?」

「だって菜畑ムッツリなんだもん」

「‥さっき話したじゃ無いか。というか君には関係無いだろう」

「もぉ、威張んないでよ、元平安貴族だからって〜」

「──────‥」




 そんな2人のやりとりを聞きながら、私は思わず笑ってしまっていた。




 楽しい──そう思った。

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