《MUMEI》

 私達がどれを選ぼうか悩んでいる間に、ミドリのリュックは満杯になっていた。




「沢山買ったねミドリ──‥」

「だって京都なんてめったやたら来れるとこじゃないしさ?」

「だからといって‥少々羽目を外し過ぎてはいないか‥?」

「気〜のせい気のせい♪」

「知らないぞ‥後で──」

「ご心配なく若様♪」

「もう若様では無いんだが‥。それに‥それは君の台詞じゃ無いだろう」

「──まぁまぁ、堅い事気にしないっ。ぁ‥まだ時間大丈夫だっけ?」

「‥どこか行きたい所があるのか」

「お参りしてこうかな〜ってさ。二人が幸せになれますように、って」

「なッ‥」

「『余計なお世話』?」

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