《MUMEI》

自宅に着いた。


「…ただいま。」


誰もいない…。


そっか…


今日月曜日だもんな…


父さんたちは仕事。


優は学校か…。


「…」


倒れ込むようにベッドに寝転んだ。









『クロさん!!』









…泣かないなんて無理だ。


大事な後輩…


いや、


友だちが死んではいそうですかと受け入れられるほど、


できた人間じゃない。


まだ19だもん。


悲しい時は悲しい。


ここで自分の感情に嘘をつく必要は…


ないよね…












「うわぁぁぁぁぁぁぁ!!」












やっぱり涙は枯れてなかった。


この先もう涙は出ないんじゃないかと思うくらい泣いた。


リアルを受け入れるのには、


まだまだ僕は弱いかもしれない。


でもさ?


これが弱いってことなら、


僕は弱いままでいい。










ザー!!









昨日から休むことなく降り続ける雨が、


少しだけ僕の泣き声をかき消してくれていた…。

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