《MUMEI》
繁華街
義仲の背中の上で揺られながら、わたしは道路の右側を見た。


キャバクラ、パブ、デートクラブ…。


続いて左側を見る。


ショットバー、ソープランド、ホストクラブ…。




…………どう考えても、高校生が立ち寄れる店は、どこにもない。




「…ねぇ」

わたしは義仲に声をかけた。彼は振り返ることなく、なに?と、いたって平然と答える。

わたしは半眼で彼の後頭部を睨んだ。


「こんなトコロに、ホントに知り合いがいるの……?」


その言葉に義仲が肩越しに振り返る。

「いるよ、もう少し先に」




…………先?




わたしは顔をあげ、正面を見た。



そして、青ざめる。



目と鼻の先に、ホテル街が悠然と構えていた。


.

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫