《MUMEI》 . 「ちょっと!ドコ連れ込む気だよッ!ヘンタイ!?」 わーーッ!!と叫びながら、バタバタと暴れまくる。 突然のことに義仲は立ち止まり、フラフラとよろめいた。 「やめろ、暴れんなッ!!落ちるって!」 「あんなトコに行くくらいなら、いっそ落っことせッ!?」 「はぁっ!?なに言ってんの?」 「とぼけんな、バカ!!」 ギャアギャア騒いでいると、 野太い男の声がした。 「ちょっとアンタたち、店先で痴話喧嘩はよしてちょうだい!」 −−−−オネェ言葉だ。 わたしはピタリと動きを止め、顔をあげる。 すぐそばに、メタボ体型の女装したオッサンが、わたしたちを睨みながら立っていた。 . 前へ |次へ |
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