《MUMEI》 嫌な予感が胸を渦巻き、わたしは義仲の耳元に顔を寄せた。 「まさか、知り合いって……」 言いかけたわたしに、義仲は振り向き、頷いた。 「そう、あのひと。ゆうこママっつーの」 義仲の呑気すぎる言葉に、わたしはめまいがした。 …………知り合いって…知り合いって、 よりによって、このオカマかよッ!! オカマは女の子走りでこちらに近寄り、義仲の顔を、至近距離でじっと見つめた。熱い視線だった。 「んもう、オトコまえになっちゃってェ!ママ、見違えちゃったわよォ!!」 つんつん☆と、義仲の肩をつっついた。なぜか、それを目の当たりにしたわたしがゾワッとする。鳥肌が立ったまま、ひかない。当の義仲はいたって普通に、ママは相変わらずだね、とニッコリした。 ………なんなの、こいつら!? 普通じゃないだろっ!? . 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |