《MUMEI》

「──言われなくても安泰だ」

「へぇ〜言うじゃん菜畑♪」

「‥行こう。そろそろ時間だ。飛行機に乗り遅れるぞ」

「分かってますって♪」

「‥絡み辛いな、君は‥」

「え〜? それ菜畑でしょ」

「‥‥‥‥‥‥‥」

「じゃあ行きますかっ」

「──こらっ、単独行動は‥、聞いていないか‥」

「──ふふっ」

「仕方無いな、僕達は近道を回るか──」

「近道‥?」

「ぁぁ──といってもうろ覚えだけれど。駅がある場所へは度々行っていた事があるから──」




 アゲハ君が、そう言って歩き出す。 私は少しためらいながら、後を追った。

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