《MUMEI》
《スナック ゆうこ》の中
.


お店の中は、少し狭いが意外にきれいな造りだった。

お店の奥にはテーブル席がふたつ。壁際に長いカウンターがあり、その奥にはたくさんのお酒の瓶がきれいに並べられていた。

照明は薄暗く、タバコの臭いが少し残っていて、そこのあたりはやはり《夜》の雰囲気が感じられた。


オカマ−−−もとい、ゆうこママは、わたしたちに、適当に座って、と声をかけて、店の奥にある《PRIVATE》の札がついた扉の中へ消えた。

義仲は奥にあるテーブル席のソファーにわたしを下ろし、自分もその隣にだらし無く腰掛ける。

彼は肩を叩きながら、背もたれに体重を預けて、あ〜〜、と低い声で唸った。


「疲れた〜、肩痛てーし。璃子ちゃん、もうちょっと痩せた方がいいよ、マジ」


「ケンカ売ってんのかッ!?」


.

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫