《MUMEI》 《スナック ゆうこ》の中. お店の中は、少し狭いが意外にきれいな造りだった。 お店の奥にはテーブル席がふたつ。壁際に長いカウンターがあり、その奥にはたくさんのお酒の瓶がきれいに並べられていた。 照明は薄暗く、タバコの臭いが少し残っていて、そこのあたりはやはり《夜》の雰囲気が感じられた。 オカマ−−−もとい、ゆうこママは、わたしたちに、適当に座って、と声をかけて、店の奥にある《PRIVATE》の札がついた扉の中へ消えた。 義仲は奥にあるテーブル席のソファーにわたしを下ろし、自分もその隣にだらし無く腰掛ける。 彼は肩を叩きながら、背もたれに体重を預けて、あ〜〜、と低い声で唸った。 「疲れた〜、肩痛てーし。璃子ちゃん、もうちょっと痩せた方がいいよ、マジ」 「ケンカ売ってんのかッ!?」 . 前へ |次へ |
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