《MUMEI》

ギャアギャア騒いでいると、ゆうこママが救急箱を抱えて戻ってきた。


「なぁに?ずいぶん楽しそうじゃない?」


ほほ笑みながら、救急箱をわたしたちのまえのテーブルに置く。

義仲はゆうこママの顔を見上げながら、爽やかに笑う。


「コイツがエロくて困るんだよ〜」


「こっちの台詞だ、バカやろうッ!?」


いきり立って反論した。ゆうこママはわたしたちの顔を見比べ、若いっていいわネ、と呟いた。


「それよりも、先に手当てしちゃいましょ。ひどくなっちゃうわ」


そう言うと、ゆうこママは救急箱を開けた。シップを取り出しながら、義仲の顔を見てカウンターの方を指差した。


「ヨッシーはあっちに行ってなさいな。男子禁制よ!」




………男子禁制って、アンタもだろっ!!




心の中でツッコんだ。

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