《MUMEI》 忍以外からの説教(…今の声) 「…ヤバい」 扉の外から聞こえた声に、俺達は足を止めた。 「大人しく出てらっしゃい」 「…ゲ…」 続いて聞こえた声に、祐が顔を青くした。 「なぁ、…何で、『あの二人』が揃ってるんだ?」 俺は小声で祐に質問した。 「祐希と遊びに行くからだろ。俺と希に恋人が出来てから、よく三人で出かけるから」 「早く開けろ!」 「開けなさい」 「開けた方が身のためだぞー、特に祐〜」 「何で俺!? 俺昨日祐也をちゃんと殴って止めたよ!?」 「殴って!?」×3 (本当に祐は一言多いな…) 俺はため息をついて、玄関に行き、扉を開けた。 「おはようございます。お騒がせしてすみません。とりあえず、中へどうぞ」 そして、三人は 鬼のような形相で珍しく怒っている仲村さん 果穂さん並のブリザードを感じる志穂さん 寝不足で、恐らくほとんど寝ていない屋代さん の順に、俺の部屋に入った。 (そりゃ、あれだけ騒げばな…) 深夜の喧嘩に、朝の追いかけっこ 祐と正座して、状況を説明した俺は 初めて、忍以外から説教される事になった。 前へ |次へ |
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