《MUMEI》

「アゲハ君──」

「何だ‥?」

「もう‥‥‥離れ離れになったりしない‥よね‥?」

「‥どうしたんだ、急に──」

「‥ぁ‥ううん‥」




 大丈夫。 お参りもしたし、ミドリが御守くれたし‥。




 きっと大丈夫。




 もう私達は、離れ離れになったりしない‥。




「──向こうに帰ったら‥」

「ぇ」

「また改めて二人で出掛けないか」

「アゲハ‥君‥?」

「どうだろう──」

「うんっ、行こう」

「では、後で何処へ行くか決めないとな」




 アゲハ君が、にこっと笑った。

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