《MUMEI》 ゆうこママの人柄義仲はめずらしく素直に、はぁ〜い、とだるそうに返事をして、のろのろとソファーから立ち上がり、カウンターの方へ行った。 ゆうこママは義仲が座っていたところに腰掛けると、わたしの顔を見た。 「ちょっと足、見せて」 優しい声だったので、わたしは素直に足を出す。ゆうこママは太い指で、そっとわたしの足に触れ、腫れ具合を確認し、顔をしかめた。 「おもったよりもヒドそうね。骨に異常がなければいいけど……」 独り言を呟きながら、丁寧にシップを貼ってくれた。さらにシップが剥がれないように、その上にネットをつけてくれる。 「これしか出来ないけど、なにもしないよりマシでしょ?あとでちゃんと病院に行きなさいよ」 親身になって言ってくれているのがよくわかった。胸の奥が、ジーン…と痺れる。 ………なんだ。 結構、いいヒトじゃん。 キモいけど。 . 前へ |次へ |
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