《MUMEI》 説得がらがらがら ベランダの窓を開ける音。 その音に振り返るとそこにはリンがいた。 「よう。」 「うん。」 「………」 「………」 気まずい。こういう雰囲気は苦手だ。思わず踊りたくなる。 「………なんで、踊ってるのよ?」 「諸事情により、やむなく。」 我慢出来ませんでした。 「おし!スッキリした。」 「ホントに訳分かんないね…、アンタ。」 彼女に呆れられた。まあ、これはいつもの事だ。 「……すまんな、あんな風に言うつもりはなかったんだ。頭がどうかしてた。」 「ううん、ケンは私のことをここから連れだそうとしようとして言ってくれたんだよね。……助けようとしてくれたんだよね。」 オレの事を信用している目。 「そんなんじゃない。それに結局、お前を泣かしちまった。…最低だな。」 助けようとして怯えさした、とんだ偽善者だ。 「違うの!私が泣いたのは……怖かったから……。」 「………」 「朝起きたらこんなことになっていて、一人ぼっちで、電話も通じなくて、だから私はずっと部屋の隅で震えてた。」 「ケン達が来てくれた時はホントに安心した。あぁ、これで私は一人ぼっちじゃないってね。でも、ケンはここを出ていくって言った 前へ |次へ |
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