《MUMEI》

 姫君がそう言いたくなるのも無理はない。




 この二人は、普段は全く逆様の性格を振る舞わねばならないのだから。




 姫君である桜は、何かしら行動していないと落ち着かない。 そして、男子(おのこ)のような性格をしている。




 対する若君、紫苑は、大人しく落ち着いていて──どこか女子(おなご)のような性格をしている。




 その為二人は、若君らしく、姫君らしく、といった振る舞いを──幼い頃から押しつけられているのである。




 素でいられるのは、一人であるか、こうして二人で過ごす時位しかない。

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