《MUMEI》 互いに入れ替わる事にした、桜と紫苑。 夜更け、内裏が静かになるのを待ってから、二人は早速、支度を始めた。 桜は蝋燭に火を灯し──紫苑は、中央に五芒星を置いた陣を、部屋の中央に描いた。 「ねぇ‥、本当に大丈夫かな‥」 紫苑は落ち着かないのか、しきりにぱたぱたと袖を振る。 「───────」 「何故不安がる? せっかく立場を入れ替われるのだぞ?」 桜に諭され、紫苑は、こくり、と頷いた。 「そうだね、入れ替われるんだもんね」 前へ |次へ |
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