《MUMEI》 「うん、僕‥」 「入れ替わった‥のだな?」 「うん」 「もう朝か──」 「まだ誰も起きてないから大丈夫だよ」 「───────」 桜は体を起こし、帳の内を見回した。 中央には、まだ陣が消されずに残っている。 (まさか本当に入れ替わるとはな──) 桜はまだ、少し信じ堅い気分がしていた。 「取りあえず‥陣を消しておかねばならんな」 「ぁ‥うん」 二人は水を汲んで来ると、手ぬぐいを浸して床を拭き始めた。 前へ |次へ |
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