《MUMEI》 ‥本当に‥大丈夫なのかな。 「アゲハ君──」 「心配しなくていい。──もうすぐだから」 私を引っ張って、アゲハ君はどんどん奥へと進んでいく。 「──ここだ」 「‥ぇ」 花園‥? 「綺麗だろう?」 「──うん──綺麗──」 こんな場所があったんだ‥。 ずっとこの町に住んでいるのに‥全然気付かなかった‥。 「君の籠は──いつでも花で一杯だったな」 「売れなかったから、なんだけどね」 そうだ──。 その売れ残った花を、黄羽様が買ってくれたんだ。 前へ |次へ |
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