《MUMEI》

『セイル?』


『悪いな、帽子を取
るぜ!』

素早く顎の下で結ん
でいるリボンを解く

帽子を取り去り…髪
をむんずと強く引っ
張る


…ズルリ…パサッ…
『あっ…』
ジェルマは声を上げる


セイルの目前に現れ
たのは美しい金髪碧
眼の天使…

首元には…リボンに
通されたロザリア!


『ジェルマ、まさか
お前…が?』


『え?僕が…何?』

…見られるなよ?…
ジェルマはケインの
言葉を思い出し、自
分の失態に気付いた


『…大修道師長毒殺
の犯人なのか?』

セイルはジェルマに
詰め寄った。


『え?…毒殺?犯人
?大修道師長様は…
亡くなったのか?嘘
だ…ねえ?セイル?
嘘だと言って?』

涙を溢れさせジェル
マはセイルにすがり
付く。


そんなジェルマの様
子を無言で眺めてい
るセイルだった。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫