《MUMEI》

ゆうこママは、感極まったように涙声で言った。


「それでこそヨッシーだわ!ママ、応援してるから!!わたしはいつだって、あなたの味方よ!!」


「ありがとう!俺、頑張る!!」




もう、ふたりの世界。わたし、完全においてきぼり。

まぁ、連れていって欲しくなんかないけどさ……。




ひとり、冷めた目で義仲たちを見つめた。


しばらくしてゆうこママが、そういえば、と呟き、わたしの顔を見た。


「まだ、名前聞いてないわね」


そういえば自己紹介していない。

わたしは居住まいを正して、ゆうこママと向き合った。


「片倉 璃子です。義仲…くんの」


クラスメートです、と続けようとしたが、


「彼女です☆」


やっぱり義仲に邪魔された。

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