《MUMEI》

「うづきは──」

「?」

「何故花売りに‥?」

「──好きだったんだ、花」

「それだけ、か」

「うん」

「───────」

「花が好きだから、みんなにも花を好きになって欲しいな、って──それだけ」

「成程、な」

「変わってる?」

「ぃゃ、君らしい」

「ぇ」

「僕は好きだな、君のそういう──何だろう、飾らない所──」

「───────」

「──サクヤ」

「?」

「今は──」




 一旦言葉を区切って、アゲハ君が続ける。




「今は──‥」

「幸せだよ」

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