《MUMEI》 「──では桜の姫っ、紫苑の君っ、これにて失礼するのだっ」 妖月が帰り支度を終えたのは、夕刻になってからの事だった。 桜も紫苑も、ほっと胸を撫で下ろしていた。 「──ばれなかったな──」 「うん──」 「──紫苑」 「?」 「よく飲めたな‥」 「ぇ?」 「薬だ。あんな苦い物を毎日飲まされていたのか‥?」 「うん──でももう慣れちゃったから。桜は日記書くの頑張ってたんだよね──」 「日記‥? ぁぁ──菫に随分と仕込まれてな」 「凄いね──」 前へ |次へ |
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