《MUMEI》

 ──夕方。




 細道を抜けて、戻って来た。




「色々──ありがとう」

「待て」

「?」

「送るよ。折角だ」

「ぇ‥ううん──大丈夫」

「──ぃゃ」

「‥‥‥‥‥‥‥」

「ほら」

「‥ゎっ‥」




 手を掴まれて、引っ張られる。




「アゲハ君っ‥」

「───────」

「ねぇ‥?」




 アゲハ君‥?




「アゲハ君──ねぇ‥?」 




 ──どうしたの?

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