《MUMEI》 「何故付いて来る‥?」 「だ‥だって‥内裏にいたら何かばれそうで‥」 「恐れる事など‥‥‥‥なくはないが、まぁ‥今の立場を楽しんでおいた方がいいぞ」 「うん‥‥‥でもね‥?」 「何だ‥?」 「ううん──何でもない。ね、妖月にこれ届けたら──ちょっと市に寄って行かない?」 「市‥?」 「うん。たまにちょっと色々見てみるのも楽しいかなって」 「あまり遅くならなければ、な──」 そう答え、桜は少し歩調を早めた。 紫苑は小走りになりながら、遅れを取るまいと彼女を追い掛ける。 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |