《MUMEI》 三 禁断の書──市での買い物を終え、内裏へと戻って来た二人。 「ふぅ‥」 「遅くなっちゃったね‥」 「──若様、姫様」 「‥!?」 「須泱さんがお待ちです」 「‥須泱‥?」 桜がきょとんとする。 (何故須泱がいきなり‥?) 「紫苑‥」 「‥行くしかあるまいな」 その言葉に、紫苑は不安げな表情をする。 (須泱が来たって事は‥‥‥何か‥) その予感は、的中した。 前へ |次へ |
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