《MUMEI》

「おはよ…。」


「うん…。
乗って。」


「…うん。」


美紀を僕の車に乗せた。


美紀の家は駅の近く。


翔太の実家への通り道だった。


付き合ってる女の子と2人きりで車に乗って、


会話がないなんて経験…


したことなかった。


美紀にとっても翔太は後輩。


2人も仲は良かった。


僕が翔太といれば美紀が寄ってきて、


僕が美紀といれば翔太が寄ってきて、


いつの間にか2人も仲良くなってた。


美紀も悲しい気持ちでいっぱいなんだろうな…


そうだよ…。


僕も、


ヤマも、


恭介も、


美紀も、


理沙ちゃんも、


赤高の皆、


海南クラブの皆だって、


悲しいんだよ?









ザーッ!!









だからもう…


お願いだから泣くのをやめて…


お前が悲しんでると、


もっと悲しくなっちゃうから…

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