《MUMEI》

僕たちは、


翔太の葬儀に参加していた。


赤高の奴らはさすがに来れないみたいだったけど、


安本さんが来てくれていた。


ねぇ翔太?


見てみなよ。


お前いっぱい友達いるんだな。


僕たちだけじゃなく、


地元にもこんなに…。


お前がホントにいい奴だったから、


皆悲しんでる…。


ヤマと恭介が泣くとこなんて…


初めて見たよ…。


ヤマ…


ずっと我慢してたんだよ?


お前が悲しむからって。


恭介もずっと泣いてたんだよ?


海南クラブの人たちだって、


安本さんも、


美紀も、


僕も、


そして理紗ちゃんも…


皆泣いてる…。


お前と理由ちゃんは、


出会ってまだ2ヶ月も経ってない。


それなのに、


お前がいなくなったことを、


僕たちと変わらないくらいの気持ちで悲しんでる。


翔太?


お前ホントにいい子と付き合ってたんだね…。


誇りに思っていいよ。


そして僕も、


お前の友達でいれたことを誇りに思う…。


伝えたいことがたくさんあったけど、


こんなことになるなんて思ってもみなかったから…


ちゃんと伝えられなかった…。


ごめんね翔太…


僕…


ダメな先輩だったかな…?


ごめんね…。


もう…


そんなことも伝えられないんだ…。

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