《MUMEI》

「アゲハ君──お父さん達共働きなの‥?」

「ぁぁ‥‥‥もう慣れたけれどね」

「───────」




 ‥寂しいんだ。 本当は──寂しいんだ‥アゲハ君。




 だからこの前、デートの帰り──あんなに‥。




「私は──」

「‥?」

「私はずっと──いるから」

「‥?」

「ずっと側に‥いるから」

「──サクヤ‥?」

「だから──寂しくなったら呼んで。いつでも──」

「──有り難う」

「ぁ‥ほら、アゲハ君もお茶飲んで」

「ぁぁ──」

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