《MUMEI》
雅の隠れ家
「不思議な、人だな」

「…あぁ。いつだって、久しぶりに会ったって、何でも知ってるようなヤツだ」

「…何でも?」


(そういえば、『数年前』って…)


「旦那様の葬儀に来たあいつは、何も言わずにここを教えた」

「…ここ?」


雅が隠れ家といった、民家を俺は改めて見た。


「入ってみればわかる」


そう言われて


「うわ…」


驚いた。


(この内装…)


外観は、普通の民家なのに。


「元々あいつの家は建築関係でな。

春日の屋敷の建築にも関わっていたし、あいつ自身も趣味がいい」

「いいっていうか…」


そこは小規模ではあったが


俺が過ごした


旦那様と、護と、忍と過ごした


あの、別宅にそっくりだった。


唯一、違うのは、窓が普通にある位だった。


「同じ建築家らしいからな」

「そうか…」

「懐かしいか」

「あぁ…」

「…ここにいる間は、旦那様のかわりになってやろうか?」

「はぁ!?」


耳元で囁く忍を見て俺は唖然とした。


忍は、服を脱いでいた。


「ちょ、な!」

「ん?」


(『ん?』じゃね〜!)

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