貴方の中の小悪魔
を知る神秘の占い《MUMEI》外れた世界 その8
「軽い!軽すぎるよヱグザス!!君の剣は、こんなものじゃなかったはずだろう!?」持てる力の全てを込めた斬撃は、男の剣の前にあっさりと受け止められた。 「お前の目的は何だ!それに《凶神の爪蹤》って何なんだよ!!僕はヱグザスだ!それ以外の何者でも……無い!!」半歩の距離を後退し、即座に剣を振り男を横に薙ぐ。しかしそれも平然と剣で受け止められてしまう。 男は力任せに剣を払った。壁に叩きつけられそうになる所を直前で踏み留まる。前を向き男を見る。すると、男の姿が消えた。「なっ……消え…た?」「見えてないのかな?僕は、こ・こ。」次の瞬間、鋭い刺突音と共に腹部に激痛が奔った。男は何時の間にか背後に回り込んでいた。腹から、銀色の刄が突き出している。滴る鮮血が見る見る内に剣と服を朱く染めていく。「弱過ぎて話にならないね。ま、-魔導剣-を操れない今の君じゃ仕方無いか。」 「魔…導…剣……?」鸚鵡返しに呟く。「そろそろ殺すよ。フェリスに地獄で詫びるがいい。」言い終わると同時に剣が腹から肩を逆袈裟に切り裂いた。形容し難い残酷な音がした。どす黒く血が吹き出す。男がこちらを笑いながら見ている。そう言えば、リディアとティナは無事だろうか。マルクスさんは…。他の…人は…? 血の海に沈みながら意識は薄れ、やがて漆黒の混沌に飲み込まれた でも不思議と心臓の鼓動だけは、途切れずに感じられた。
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