《MUMEI》

 テーブルを挟んで、私達は無言のままお茶を飲んでいた。




「──サクヤ」

「ん?」

「また──」

「うん。ぁ──そうだっ──」

「‥?」

「これ、ノート──」

「ぇ‥」

「良かったら写して?」

「いいのか‥?」

「うん」

「有り難う──」




 パラパラページを捲りながら、アゲハ君が目を細める。




「丁寧に書いてあるな──」

「──ぇ」

「明日には返すから」

「ふふっ──急がなくていいよ」

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